コラム:サントン人形の魅力
第15回: 切手(2)
今回はサントン人形の切手の続きです。 フランスで1995年に発売されたこの切手は写真のように8枚綴りになっています。
切手のデザインは、マリー・ノエル・ゴフィン(Marie-Noelle Goffin) という方がされたようです。 ゴフィンさんはこの他にも様々な切手をデザインされているようです。 ではそれぞれを見てみましょう。
こちらは羊飼い(le berger)と粉ひき屋さん(le meunier)です。 羊飼いは縁の広い帽子とマントを羽織り、手には羊を抱え、杖を持っています。 羊飼いはこのように髭を生やしたおじいさんの人形が多いです。 一方、粉ひき屋さんは若者の人形が多いようです。 切手のように小麦粉の粉を持ってロバに乗っているものもあります。
左側の切手は、タンブラン奏者と「喜ぶ人」です。
タンブランはプロヴァンス地方特有の太鼓で、このように腕にひっかけて持ちます。
太鼓のデザインが なぜかアメリカの国旗っぽいですね。
「喜ぶ人」といいうのは何を喜んでいるのかというと、本来は聖誕場面に飾られて、
「無事生まれた!バンザイ!」ということのようです。
サントン人形には、このように感情をはっきりに表現した人形は少なく珍しいタイプです。
右側の切手は、魚屋の奥さんです。
笊には魚が数匹。
腰には金色の丸いものを付けています。
これは魚の重さを量る竿秤(さおばかり)で、ローマ秤とも言われるようです。
こちらの2枚は研磨師と老夫婦です。
研磨師は、ナイフを砥石で研いでいます。
黄色いものは、砥石に水を注ぐもののようです。
手に持った赤い瓶はお酒。
一杯やりながらのんびり仕事をしているようです。
老夫婦は仲良く手を組んでいます。
籠を持っているので買物の帰りかもしれません。
今回紹介した切手のサントン人形は ごく一部の代表的なものです。
このような村や町の人のサントン人形は、実際にはとても沢山の種類があります。
どれも地味で素朴な風合いなので、いくつか集めて飾っても目立ちすぎず、
自然な情景をが作ることができます。
ご紹介した切手に近いサントン人形はこちら。。